排煙窓のクレセントの高さは?80cm〜1.5mの基準と注意点を解説
排煙窓のクレセントの高さは?80cm〜1.5mの基準と注意点を解説
排煙設備として使用されている窓では、
火災時に窓を開放して煙を屋外へ排出する必要があります。
そこで重要になるのが、
「非常時に人が実際に窓を開けられるか」
という点です。
特に引き違い窓などを排煙設備として使用する場合、
クレセントの高さについて疑問を持たれることがあります。
「排煙窓のクレセントは床から何cm?」
「1.5mを超えたらダメ?」
「普通の窓と何が違う?」
今回は、排煙窓のクレセント高さについて解説します。
排煙窓のクレセント高さは80cm以上1.5m以下
国土交通省の排煙設備に関する審査基準資料では、
引き違い窓等のクレセントの高さについて、床面から80cm以上1.5m以下に設ける
とされています。
床面から
80cm以上 ~ 1.5m以下
なぜ排煙窓には操作位置が重要なのか?
排煙窓は、日常的な換気だけを目的とした窓ではありません。
火災が発生した際、
建物内部に充満する煙を屋外へ排出するという重要な役割があります。
そのため、火災時に
「窓はあるけれど、高すぎて開けられない」
という状態では、排煙設備として本来の役割を果たせません。
排煙設備では、
非常時に確実に操作できること
が非常に重要になります。
普通の窓のクレセントとは考え方が違う
ここはよく混同されるポイントです。
一般的な窓のクレセントについて、
すべての窓を対象として
「床から80cm以上1.5m以下にしなければならない」
という意味ではありません。
今回の80cm~1.5mという基準は、
排煙設備として扱われる引き違い窓等
について示されているものです。
→ クレセント高さについて全国一律の数値規定とは分けて考える
排煙設備として使用する引き違い窓等
→ クレセントを床面から80cm以上1.5m以下とする基準が示されている
排煙窓が高い場所にある場合はどうする?
実際の建物では、
排煙窓が天井付近など、
人の手が直接届かない高い場所に設置されていることも珍しくありません。
そのような排煙窓では、
窓を直接手で開けるのではなく、
排煙オペレーターなどの開放装置
を使用して窓を開放する方式があります。
壁面に設置された操作部を操作すると、
ワイヤーや開閉機構を介して高い位置にある排煙窓を開放します。
操作部があっても「窓が開かなければ」意味がない
排煙窓で特に注意したいのが、
長期間使用していないことによる故障です。
排煙窓は普段ほとんど操作しないため、
- ワイヤーの劣化・断線
- 排煙オペレーターの故障
- 窓金物の固着
- 窓の開閉不良
- 部品の腐食
- 操作しても途中までしか開かない
といった不具合が発生していることがあります。
見た目では正常でも、
実際に操作すると窓が開かないケースもあります。
排煙窓は火災時に実際に役立った事例もある
2013年に発生した宝塚市役所の火災では、
職員が排煙窓を速やかに開放したことが、
煙の排出や視界の確保、避難などに役立ったと報告されています。
排煙窓は、
単に建築基準を満たすためだけの設備ではありません。
実際の火災時に人の避難を助けるための設備です。
排煙窓は「付いているから大丈夫」ではありません。
火災時に正常に開いて、初めて排煙設備としての役割を果たします。
排煙窓の点検・修理はウィンテックへ
有限会社ウィンテックでは、
排煙窓・換気窓の点検、修理、部品交換などに対応しています。
「排煙窓が開かない」
「ワイヤーが切れている」
「オペレーターを操作しても反応しない」
「排煙窓が高い位置にあり、操作方法が分からない」
「古い排煙窓を一度点検してほしい」
といった場合も、お気軽にご相談ください。
火災などの非常時に正常に使用できるよう、
定期的な作動確認と早めの修理をおすすめします。
※本記事は排煙設備に関する一般的な基準について解説したものです。
実際の法令適用や必要となる設備は、建物の用途・規模・構造・所在地・設計条件等によって異なる場合があります。
具体的な法適合性については、建築士、確認検査機関、特定行政庁等へご確認ください。

